奇妙な事件

高岡法科大学の連続公開講義で、
冤罪に対する弁護士側と検察側双方の見解を聞きました。
検察側の人は数字をあげて、冤罪は少ないと言いますが、
弁護士側の人は10の取りこぼしより1つの冤罪をなくしたい、
とおっしゃるし、僕もそちらに共感を覚えます。

そんな折りに、鹿児島県の志布志市に奇妙な事件が起きているのを知りました。
公職選挙法で起訴された被告12人全員が、事件はでっち上げだとして、
無罪を主張しているのですが、ここでも一部の被告は罪を自白しているのです。
いわゆる、自白は強要によるもので、真実ではないというのです。
事件の概要は、(↓)こちらのブログを見てください。
http://blog.goo.ne.jp/uccjkc/e/cc6c5351e487dc85d45d78343e68f029

明日23日に判決が出るこの事件が、もしも事実無根の罪であるなら、
いったいどうしてこのような起訴が起きるのか、究明していただきたい。
さらに納得できないことに、高岡市内で判明した服役終了後の冤罪確定に対し、
取り調べた検察官を処分する予定はないと、早々と言明しているのです。
これは、特別公務員職権乱用罪ではなかったのでしょうか?
http://mytown.asahi.com/toyama/news.php?k_id=17000000702140002

あるとき突然警察がやってきて、知らない事件で任意同行か逮捕をされる。
そのまま何日も警察の代用監獄で取り調べが続き、自白を強要される。
最初のうちは、やってもいないことを自白できるわけがないと思っているけど、
毎日夜も十分に眠れない状態で、自白調書にサインすれば終わると言われ、
ついついサインしてしまう人が、実際の裁判で供述を翻すのです。
場合によっては、この時点で、あるはずのない物証まで用意されている。
そしてなんだかよくわからないうちに、有罪にされて冤罪となるのです。

この国の公務員は、よほどのことをしないと罪に問われることはありません。
何か不祥事や事件が起きたときには「対応は間違っていなかった」と答える。
彼らは常に間違っていないのに、どんな事件でも起きてしまうと言うのなら、
どんな事件でも、防ぐ手だてなど出来るはずがないでしょう。
何がいけなかったかを真摯に反省して謝罪し、対応策を練ることで、
さらなる事件を起こさずに済むのだと思うのですが・・・