立川志の輔

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図書館から落語のCDを借りて聞くようになって、
今は亡き古今亭志ん朝の名人芸に恐れ入ったものですが、
今はまた、立川志の輔を聞いて話芸の面白さに顔がほころぶ。
この人は、同じ富山県出身のよしみで親しみは感じていても、
NHK「ためしてガッテン」で司会をしているのを見るだけで、
ちゃんと落語を通しで聞いたことは、今まで一度もなかった。
それがCDを聞いてみると、古典も新作も面白いんですねえ。

富山県も新湊出身と知って、僕の母の姉が住んでいたことも、
さらに親しみを感じるようになった大きな理由ではありますが、
師匠の立川談志落語協会を飛び出してしまったことで、
テレビで落語を聞けなくなっていたのが知らなかった理由。
とは言え、今まで落語ってものにたいした関心がなかったのは、
さほど面白いと思ったことがなかったってのが本当のところ。
それが志ん朝志の輔と聞いて、一気に好きになったわけです。
やっぱどんな世界においても、大切なのは「人」ですね。

この二人、たまたま同じ「志」の字がついているわけですが、
それぞれの師匠にも同じ文字がついていたので不思議はない。
それよりも昨日テレビで「情熱大陸」を見ていて驚いた。
志の輔が自分の落語とは何かってことを飽くなく追求していて、
その様子が、志ん朝のCD解説に書いてあったエピソードと同じ、
この二人は、当世一の人気を持ちながら精進していたんですねえ。
何事も、そうした努力なしでは成るはずがないことを教えている。
あらためて、大成する人のすさまじい努力の程を知るわけです。

僕はこのところ、日本とは、日本文化とは何かと考えていて、
最終的には庶民の独特な開き直った日常文化って言うか、
いろいろわかった上で、上手にやりくりして笑い飛ばす、
そうしたしたたかさに、強く共感を持つようになりました。
これはどうかすると本音と建て前の使い分けで、昔はイヤだった。
それが最近になって、みんな仲良く暮らそうとする庶民の知恵で、
かならずしも悪いものではないように思えたきたりしている。
その庶民感覚に、志の輔の落語があるような気がするのです。

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