再生へのプロセス

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三ヶ月前に、車のドアで薬指を潰してしまいました。
ちょうど爪の根元あたりで、内出血を起こしてしまい、
潰してすぐよりも数時間後に爪の半分近くが真っ黒になって、
ドアの当たったところだけが、マーキングしたように白い。
その白い部分が、ひと月ふた月と徐々に先へ移っていくので、
なるほど、こうして付け根から成長して再生するのか!
とずっとそう思っていたのですが・・・

二週間ほど前から、少し様子が変わってきて、
真っ黒だった部分が、浮き上がるように見えてきました。
そのまま、新しく成長した爪との間に隙間が出来てきて、
根元からだけではなく、下からも再生しているのがわかりました。
隙間の下には、新しくできた薄い爪のようなものが覗いている。
そして、真っ黒だった爪の内側が、透明に近付いていたのです。
命ってものは不思議なものだと、あらためてつくづく感じました。
人間が考える道理を越えて、あらゆる可能性を育くんでいる、
これが平面的な人智を越えた多次元の自然力なのでしょう。

こうしたことは、たぶんどんなことにも起きるはずです。
例えば人間の仕業が間違っていたために破壊された環境も、
今からでも破壊をやめて、再生の方向へ動き出しさえすれば、
計算外の自然力によって、目に見えない再生が動き出す。
人は何でも人間たちがやるのだと思いこむのではなく、
ただ方向性さえ間違わなければ、自然力が助けてくれる。
そんなことを考えながら、盛り上がった爪を見ていました。

だけど問題は、不自然な方向性を持ち続けている限りは、
やがて計算通りに、最悪の結果に至ってしまうってことで、
それは自然の道筋に外れているのだから、再生もされえない。
僕は自然の大切さを、自然農から生き方として考えましたが、
その先にもう一段別の段階があるような気がしています。
もしかしたら、自然学のようなものがあるのではないかと、
僕は不思議に、そうした胡蘭成の本を持っているのです。