あたたかい冬

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午前中から気持ちよさそうな青空が広がっていた。
僕は手っ取り早く早めのブランチを済ませると、
バッグに数冊の本を詰め込んでワゴンRに乗り込んだ。
陽当たりのいい場所で、眺めもいい場所はどこだ?
と考えて辿り着いたのは、裏山の閑乗寺高原だった。

真冬には子供用のスキー場にもなる高原なので、
午後の日陰にはうっすらと先日の初雪も残っている。
それでも見晴らしのいい高台に車を停めて、
車ごと全身に日を浴びていると暖かくなってきた。
ガラス窓は水蒸気で外が見えないほどになる。
僕はシートを斜めにしてしばらく本を読んでいた。

4時を過ぎると、もうすっかり日は傾いてしまい、
とおく西の山の端をあかね色に染め上げて輝いている。
その美しさに車を降りて砺波平野を眺めていると、
この土地がいとおしく、住んでいる人が恋しく思えた。
自分はあまりにもちっぽけで何も出来ないけど、
せめて生き方は、この土地の自然を大切にして生きる。

そんなことを考えているうちに寒くなってきて、
急いで車に戻ったら、そのまま庄川図書館に向かった。
おカネを自由に使うことは出来ないにしても、
こうして自由に使える時間があって、読む本もある。
家に帰れば、見ておきたい映画のDVDも待っている。
これを幸せと思わなければ、申し訳ないに違いない。