最近のテレビ

昨日は文化の日ってこともあったのでしょう、
あちこちで興味深いイベントや催しがあって、
テレビでも興味深い内容の番組がいくつもありました。
今もう一度チェックしようと思ったら、最近の番組表は、
翌日にはサッサと消されてしまうようで確認できませんが、
「泣きながら暮らす」は見始めたら止められなくて、
2時間全部最後まで見てしまいました。

中国の文化大革命当時に青春を過ごした一組の夫婦が、
自分たちが受けられなかった教育を子供に受けさせるため、
家族が離散しながらも、懸命に生きていく姿を、
二十年近い歳月を掛けて取材した、すばらしい作品でした。
懸命に生きるために、借金をしてまで日本に来て、
辿り着いた日本語学校は北海道の過疎地だったために、
働きながら学ぶための「働き口」がなくて、
やむなく逃げ出して東京暮らしを始めた彼は、
最後まで愚痴一つ言わずに懸命に頑張っていた。

ビザが切れて不法滞在となっていった彼は、
中国に帰ると二度と日本には出稼ぎに来られないので、
十数年の東京暮らしの間に、娘との再会が一晩、
妻との再会が三晩だけだったのに、誰も怨んではいない。
ただひたすら自分の運命を受け入れて、家族を思って働く。
誰が悪いとかいいとか、人を批判することも一切言わずに、
ずっと会うことも出来ない妻と娘のために働き続ける。
それが良いことだか悪いことだか僕にはわからないけど、
少なくとも、生きるとはそうしたことだろうと思う。

途中から裏番組で、サイボーグ化する人間を扱っており、
僕はそちらも興味を持っていたのだけど、見なかった。
進化したサイボーグ技術は、人間を脳の世界に閉じこめる。
それを良しとしようと悪しとしようと、進んでいくのは、
原子力や化学物質に対する人間の姿を見ていれば、
止めることが出来ないものだと理解するしかない。
それでも、未来がどんなに進化した別世界になろうとも、
人の幸せは人との触れあいからしか生まれないと思うのです。