秋の気配

9月はどうして長月って言うのでしょうか?
夜長月を言うのであれば10月でしょうけど、
そこは人の感じ方として思いをたどれば、
たしかに日増しに夜を長く感じる日々です。
一週間前には夜が寝苦しかったりしていたのに、
この数日は本を読んだりネットを開いたり、
少しずつ長くなる夜を楽しんでいる。

三日前から家の中で鈴虫が鳴き始めました。
毎年中庭で虫が鳴くのさえ不思議に思うけど、
家の中で鳴く鈴虫はどこから入ってくるのだろう?
まみあな畑で刈り取った草をたくさん敷いたら、
そのあたり一帯がコオロギや鈴虫の住処になった。
そこから車に乗ってやって来たんじゃないよね?
耳を澄ませばまた違うところでも鳴いている。

秋になるとちょっとすえた匂いがするなんて、
そんなことを言う人がいたり土が仄かに匂ったり、
夏には暑さに紛れてわからなくなっていた気配が、
すこしずつまた静かに僕の五感に届いてくる。
涼しくなった日射しがもの悲しく感じたりもして、
一人暮らしには人恋しさが募る季節でもある。
だけど具体的に誰に会いたいわけじゃないかも。

もう暑くないのだから久しぶりにチャリンコで、
遠くまで出掛けてみるのもいいかもしれない。
チャリロードの両側には秋の花が咲いているはずだ。
この頃は田畑以外で土の上を歩くことが少ないから、
心も硬く閉ざされがちになっているかもしれない。
もっとありのままの自然を素直に受け入れて、
自分も秋風のようにさわやかに野を駆けたい!