「 不二門 」

南砺市にある旧城端地区の大福寺に、
「不二門」が出来たと聞いていたのを、
今日所用で出掛けた折りに見せてもらった。
ちょっと見た目に分厚い門の作りって以外、
取り立てて特徴は感じなかったのが、
門の中を見せてもらって驚いた。

門のくぐりの両脇に一つずつと、
二階にも三区画に区切った部屋が並んでいる。
しかもそれぞれの部屋には展示空間があって、
不思議な内空間を見せてくれるのだ。
さらにその小粋な展示空間には、
日本文化と韓国文化の品物が並べられたり、
台湾文化と中国文化の飾り棚が向き合って、
渾然一体と一つのアジア世界を見せている。
これは偶然そうなったわけではなくて、
違う文化も別々のものではない、
「不二」であることを示しといると聞いて、
この門自体がそうした意味なのだと気がついた。

さらに、なぜこの門の中に部屋があるのか、
どうしてわざわざ門の中に作られたのか聞いたら、
門より内側は寺の敷地で仏門の世界、
門より外側は俗世界であると考えたときに、
その境界にある門の中ではどちらでもない、
あるいはどちらでもある世界なので、
開放された世界が開けるのだと聞いた。
これもまた面白い発想ではないか!

元々は関東にあった寺の門で、
取り壊されると聞いた先代が引き取ったらしいが、
これは見事に見かけ以上の門と言えるだろう。
小さな集まりや会合にも使えそうで、
僕らが使ってもいいとのことだから、
いづれこうした場所での集まりもやってみたい。
寺というのは、現代でも興味深い空間だと、
あらためて感心しながら見せてもらった。