「恋に落ちたシェイクスピア」

年末年始にTV上映された映画を何本か見た中で、
一番良かったのは「恋に落ちたシェイクスピア」だった。
この映画は、今ではもう7年前の作品になるけど、
公開当時よりも今の方が気に入っているかもしれない。

グウィネス・パルトロウも当時より魅力的に思えるし、
ジョセフ・ファインズが演じるシェイクスピアも、
自分の気持ちのままに突き進む純真さに共感できる。
自分がすっかり何もできない人間になってきて、
逆にこうした自由な人間像に憧れるようになったのか?
それはわからないけど、脇役も味わい深くて面白い。

時代背景的には1953年のロンドンを舞台にして、
当時は女性が舞台に立つことを許されていなかったから、
初めて舞台に立った美しい女性とシェイクスピアの、
恋の始まりから終わりまでを描いた楽しい物語で、
そこから「ロミオとジュリエット」が生まれたという。
そう、これは結ばれない悲恋物語のようでいながら、
見ていると心が浮き立つ恋人たちの話なんだよね。

考えてみれば、終わりのない恋なんてないのだとしたら、
その愛し合う時間をどれだけ深く過ごせるかが大切で、
恋に落ちたシェイクスピアは幸福な人だったのだとわかる。
そう僕は、7年前よりも人間がわかってきたのかもしれない。
たまには、むかし見た映画を見直してみるのもいいものだ。