トンボと豆取り

秋晴れの青空が気持ちよかったので、
収穫の済んだ豆畑にシートを敷いて、
乾燥させた黒豆のサヤ出し作業をした。
広げたシートの真ん中にドサッと置いた、
たくさん枝分かれして実った黒豆のサヤを、
両手でバリバリと破って豆を落としていく。

その下には豆が通らないふるいを置いて、
豆だけがうまく集まるように工夫してある。
バリバリッとサヤを破って豆がポロポロ。
そのうちトンボが次々に飛んできて、
シートの端にもちょこんと留まる。
コオロギが豆束の中から飛び出していく。

秋ももうしばらくで終わりなんだなあ!
そう思っていたら耳元で羽音がして、
トンボが僕の肩先にちょこんと留まった。
赤茶系の僕のシャツを何と間違えたのか。
しばらく休んでまた羽音を立てて、
そのうちどこかへ飛んでいった。

トンボの羽音を耳元で聞いたのは、
生まれて初めてだったかも知れない。
豆を取る僕の姿が自然の中に溶け込んで、
トンボにも違和感がなかったんだなあ♪
そう思ったらなんだか嬉しくなった。
颯爽と秋の空を飛んでいったトンボ!