福野までチャリンコで!

昨日は秋晴れの天気が気持ち良かったので、
福野のヘリオスまで、チャリで片道30分、
《世界の歴史と文化を知る》講座に行ってきた。
今回の題目は「日中関係悪化の背後の事情」で、
日本の小泉首相がなぜ靖国神社に参拝するのか、
それが中国にどんな問題を引き起こすのか、
けっこうわかりやすく解説された。

富山国際大学の滝沢壮一教授の話しによれば、
中国側は日本からの戦後補償を放棄するときに、
「中日戦争で責任あるのはA級戦犯で、
 一般の日本国民ではない」と説明した。
そのA級戦犯を祭っている靖国神社を、
日本の首相が参拝すると言うことは、
戦後補償を放棄した説明が成り立たなくなる。
だから中国は対応に苦慮しているとのこと。

それでは、このような事情をわかっていながら、
小泉首相はなぜ靖国参拝を続けるのかと言えば、
もともと首相になれる基盤がなかったのを、
戦没者遺族会の票を取り纏めることによって、
かろうじて首班指名を乗り越えた事情がある。
また国民の支持をパフォーマンス的に集めるにも、
国民の民族意識を煽るのが近道だと、
国内政治戦略的に判断している向きがある。

本来は双方の国民がしっかりしていれば、
このようなことで中国に反日運動が起こったり、
日本に嫌中国な気分が広がったりはしない。
ところが中国の若者は現代の日本を知らないし、
日本の若者は中国との歴史を知らないから、
お互いに不信感だけが広がる下地が出来ている。
この事実の方がよほど怖いと考えるべきだろう。

このような時代に、僕らはどうすれば、
平和で豊かな次世代を育てていけるのか?
滝沢氏はその鍵を双方の対話の積み重ねとして、
これから若い人が経済、文化で繋がりを深め、
さらに多くの国民が直接交流を深めることだと、
締めくくって講義を終わられた。

これは何も国交に限ったことではない。
僕自身どれだけ人付き合いが下手か、
その解決のためには対話しかないと知りながら、
少しもうまく出来ない難しさを感じるとき、
まして国交の困難を認識すると共に、
だからこそ慎重な対応が必要なのだと理解する。