新城島(パナリ)で見た夢

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多々ある沖縄の島々で忘れられない離島に、
上地と下地からなる新城島ってのがある。
上地にはヤマハ「はいむるぶし」の別棟があって、
下地は島全体が牛の放牧場になっている。
今では下地に泊まることはできなくなったけど、
昔は牧場の施設に泊めてもらうことができた。

そこには牧場の管理人と僕らしかいないから、
ほぼ無人島状態で誰にも会わずに海で遊べた。
この島の周囲が驚くべき美しい珊瑚礁だったので、
僕らはいつも時間を忘れて海を歩き回った。
島の裏の浜には打ち上げられた難破船もあって、
船内をくまなく探検した記憶もある。

牧場は日中だけ発電していたけど、
夜の10時には発電機が停止するので、
必然的にそれが毎日の消灯時間になっていた。
真っ暗な新月の夜に近くの浜へ出ていくと、
空一杯の星がぎっしりと煌めいていて、
海中には夜光虫の妖しい群舞があった。

引き潮の時には上地まで泳いでいって上陸し、
クジャクが住み着いた小さな部落を散歩する。
毎日が天国で過ごすような気分だった。
今では日中に日帰り観光船がやってきて、
もう宿泊出来る場所もなくなってしまった。
僕はあまりにも幸せな時間を過ごした気がする。