「月ヶ浜」 と 「太陽の村」

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沖縄で2番目に大きな島、西表島は、
今でも9割近くが原生林に覆われている。
そしてこの島の周囲も珊瑚礁に囲まれているので、
砂浜のほとんどは珊瑚がくだけた砂でできている。

ところがこの月ヶ浜だけは例外できめ細かな砂浜だ。
ここは浦内側の河口で、珊瑚礁が遠いため、
内地の砂浜と同じタイプの砂でできている。
穏やかで静かな入り江のために、月ヶ浜と呼ばれ、
一時期は地元の人が作ったお店もたくさんあった。

それが数年前、内地の大手企業が土地を買い占め、
本格的なリゾート施設を作ることになって、
この砂浜から地元の人々が追い出された。
そして今年、この砂浜へ行ってみたら、
去年の台風で大きく海岸線が浸食されて、
植林した椰子の木は倒れ、芝生は崩れ落ちていた。

ここでは大自然の方が、人間の開発よりも力強い。
浜の対岸にある岬の高台は昔「太陽の村」と呼ばれ、
そこには今でも白亜の建物がそびえて見えるけど、
それは今では近付いてみれば廃墟でしかない。
バブル景気の折りに開発されたリゾート施設が、
大自然に埋もれるように無惨に朽ち果てている。

同じ失敗を、またこちら側でも繰り返すのだろうか?
人はどうして、美しい自然を美しいままにできないのだろう。