「美しい日本人」

文藝春秋発行で、斉藤孝さんが書いた本、
「ハイライトで読む 美しい日本人」を読んだ。
明治以降、戦後まもない頃までに書かれた、
いわば日本を著した文章を網羅したもので、
今では失われたもの、あるいはまだ続いている、
日本人独特の感性や生活様式について書かれている。

全体を6つの章に分けてあるのは、
それが日本文化の特徴でもあるのだろう。
第一章:「たぐいまれなる上機嫌文化」
第二章:「ここは子ども天国」
第三章:「とにかく流す」
第四章:「身体から入る」
第五章:「気遣いを育てる日本語」
第六章:「はかなさを愛でる」

中に引用されている多くの文章にある風景は、
今では見られなくなったものが多いけど、
こうして分類された感性自体は今でもあるから面白い。
千年以上の歴史をもつ日本文化の骨頂は、
グローバル経済が席巻する現在にも生き残っている。

だけど今後いつまで生き残るかは、
それを人々が大切だと思うかどうかに掛かっている。
この美しい日本文化を、もう一度見つめ直して、
さらに磨きのかかったものとして残したい。