「月曜日に乾杯!」

この映画は、2002年のフランス・イタリア映画。
監督はグルジア出身のオタール・イオセリアーニって人で、
日本ではあまり知られていないけど、ヨーロッパでは有名な監督らしい。
去年の春に東京で映画を見たときに、予告編を見て、
是非一度見てみたいと思いながら、長い間見るチャンスがなかった。
そして今回ようやくレンタルDVDで見たけど、やっぱり良かった!

ストーリーだけを話しても絶対に伝わらない、不思議な味わいがあって、
主人公の男が旅に出る感覚や、それをことさら騒がない家族の感覚。
突然帰ってきたときにも、みんながさりげなく「お帰り」と言う。
その全体に流れる、なんとなくユーモラスで、いとおしい感じ。
僕らが人生に感じる悲哀と味わいのペーソスが詰まっている。
このなにげないストーリーに込められた人生への賛歌のようなものが、
しっかりとした構成のもとに作られた作品だってことがまたすごい。

それはやはりこの監督の素晴らしさのようで、
彼は1960年代からずっと世界中の映画賞を受賞している。
http://www.bitters.co.jp/iosseliani/index.html
わけのわからない暴力とどたばたのアメリカ映画ばかり公開されて、
いいかげん映画を見るのがイヤになりそうな中で、
こうした魅力的な映画に出会うとなんだかホッとする。