年齢と人生
一昨年から昨年にかけて、仕事を探していたのですが、
やりたいと思った仕事の応募が、連続して不採用となりました。
どうやらその理由が僕の年齢で、65歳となった人間を、
わざわざ新たに採用したくないのが、本音だったようです。
採用条件には年齢不問とあっても、それは表向きの話に過ぎず、
若い人を採用したい気持ちは、わからないわけじゃない。
それなら最初から、募集要件として年齢制限を書けば良いのに、
男女や年齢で差別してはいけない、と公の定めがあります。
求人は増えているのに、採用できないから求人数は減らないまま、
僕らのように、求職していても採用されない高齢者は多い。
それでも年金があるので、暮らしていくことは出来るのですが、
仕事をしたくても出来ないという現実は、確かにあるのです。
僕の場合など、自然農をやめるつもりはないのですが、
それだけでは収入にならないし、年金だけでは安心できない。
特に子育てにおいて、いくら一緒にいる時間が大切とは言っても、
昔と違って何をするにも、お金は必要になってくるのです。
山や海へ行って遊ぶにさえ、お金が必要に思われるし、
そうした情報が溢れている中で、頑固な偏屈でいたくもない。
昔は人生を60年と考えたから、それ以降は余生と捉えて、
身を慎ましく暮らしていれば、それで過不足もなかったのかも。
ところが現代では、、生活環境も食料事情も豊かなので、
僕なんかは58歳で恋をして、60歳で妻子を得て家庭を持った。
突然子育てする身になったのですが、社会環境は昔のままで、
子育て中に関係なく、65歳となればもう仕事はない。
なければ自分で作ることも考えますが、元々お金は嫌いだし、
嫌いなものを得るために、熱心に働く気もないのです。
何か人の役に立って、それで多少のお金が手に入ればいいけど、
世の中にはそうした仕事がないのか、うまく出会えませんでした。
そこでシルバー人材センターに登録して、何か無いか探したら、
小学校の用務員をする仕事を、紹介されて引き受けました。
実はこの仕事、以前であればフルタイムの勤務仕事でしたが、
なかなか人材がいないので、シルバーに問い合わせが来ました。
シルバーでは、毎日フルタイムで働ける人はいないので、
とりあえず暫定的に、週に2~3日働ける人を充てていました。
それなら僕もちょうど良いので、二人で一人分を働く、
いわばワークシェアすることで、四方めでたしとなりました。
少しでも多くお金を稼ぎたい、と思う人ばかりではない、
なんとか生活が出来れば、お金より時間を優先させたい人はいる。
だけどフルタイムで働かないと、社会保障も弱くなるので、
やむを得ずにフルタイムの仕事をする人は、案外多そうです。
勤務日数など半分で良いと思う人も、いそうに思います。