見えてきた日馬富士事件

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今年の大相撲を締めくくった、九州場所は、
取り組みの内容よりも、暴力事件が主役でした。
テレビや新聞のない我が家で、相撲の記事は、
インターネットに頼ることが、多いのですが、
ネット記事でも、暴力事件のことばかり報道される。

どうやら新聞テレビでも、似たようなもので、
勝手な私見が飛び回り、何が事実かもわからない。
まさにフェイクニュースと同じで、言った者勝ちみたいに、
正義感やら疑問やら、あることないことが飛び跳ねる。
僕は大相撲が好きで、いつだって関心はあるのですが、、
これだけ真相がわからないと、何も言えない。

それが今日になり、定例理事会の記事を読んで、
ようやく事態がわかり、事の全容が見えてきたのです。
貴乃花親方が、どうして直接警察に届けたのか、
そしてモンゴル出身力士は、なぜ貴乃花を嫌うのか、
今の相撲協会には、何が欠けていたのか・・・

以前から貴乃花親方は、モンゴル出身力士たちが、
お酒を飲んで親睦を深めることに、疑問を持っている。
もともと大相撲では、同じ部屋の力士同士や、
親戚縁者などが対戦しないように、取り組みを決める。
それは情によって、取り組みに影響が出ることを、
避けるための措置なので、一般に支持されているのです。

貴乃花部屋では、こうした温情勝負を避けるため、
他部屋との交流さえ、厳しく制限していると言われます。
当然のこと、モンゴル出身力士が集まる会への参加も、
禁止されているのですが、貴ノ岩は出てしまった。
そこで日馬富士からの暴力があり、貴乃花親方は激怒して、
こうした慣例をなくせない、相撲協会への反感もあって、
協会へ届けるよりも、警察へ被害届を出すことになったのです。

日馬富士が引退に追い込まれるような、事態になるとは、
そこまで考えていなかったようで、残念に思っている。
実際にマスコミがここまで騒がなければ、日馬富士だって、
引退届を出すことは、なかったかも知れません。
しかし貴乃花親方が振ったサイコロで、事態は動き、
今の相撲界の実情が、見えてきたのも事実だと言える。

片田舎の僕でさえ、毎日のようにタレントの私見を聞かされ、
それが社会的な事件として広がって、真実が見えなかった。
暴力事件は見過ごされないとしても、貴乃花親方が示したのは、
相撲の世界で、土俵以外の付き合いが様々な情を生む、
その事に対して疑義を呈したのだから、否定は出来ない。

問題はむしろ、真相を究明も出来ないままに、
憶測と批判の記事が飛びかった、マスコミの有り様です。
大騒ぎせずに本場所の終了を待ち、事件の真相を見ると同時に、
なぜ貴乃花親方が、こうした挙に出たのかを知れば、
多くの人は納得するし、日馬富士が引退することはなかった。
真相がわかった今は、そんな思いがするのです。