辺野古で新たな局面

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日本中の新聞テレビが、お盆の帰省ニュースで賑わう中、
沖縄辺野古の海では、静かに新たな局面が始まっています。
まさに一般住民がお盆のために、忙しくなっているこの時期に、
海上保安庁の巡視船まで配備して、埋め立て海域を示す、
フロートの設置作業が、淡々粛々と始まっているようなのです。
沖縄県知事選挙を睨んだ、埋め立てへの強硬手段でしょうか。

ちょうど11月の知事選挙を前にして、沖縄の自民党では、
仲井眞現知事の支持を正式に決定し、その支援策として、
辺野古の埋め立てを進めるために、今回の強硬手段となりました。
地元辺野古では、すぐに反対表明のデモや海上行動が始まり、
お盆の海は、またたくまに騒然とし始めているようです。
こんなことがいつまで続くのか、残念でなりません。

この10年間変わらずに、地元住民は基地建設に反対して、
浜には反対者によるテントが維持され、全国から支援もある。
これに対して政府は、この反対運動を強行に排除することはなく、
そうかと言って、辺野古への移設を諦めることもできないで、
事態は硬直したまま、年月だけが過ぎてきたのです。
それを今月になって、アベノ独裁が強硬手段に及びました。

防衛省の委託を受けた業者が、およそ30隻の船で出航し、
その作業現場を海上保安庁の船が取り囲んで、抗議活動を阻む。
対外脅威を宣伝して強化される防衛力は、反対派住民に向けられ、
米軍基地の海岸には、水陸両用戦車も威嚇的に並びます。
いつの時代も軍備力は、為政者が自分たちの都合で動かし、
敵国が攻めてこなければ、自国民を操るために使われるのです。

10年前の埋め立て開始では、反対派の阻止行動が激しくて、
調査が中止になった経緯がありますが、今回は甘くはありません。
仲井眞知事は埋め立てを承認しており、菅義偉官房長官は、
すでに反対派への対策を指示して、全力で動き出しているのです。
僕らが支払う税金を湯水のように使って、反対派を阻止し、
辺野古に新たな米軍基地を作るのを、僕らは容認していいのか?

民主主義とは何か?
多数決で選ばれた人であれば、何をしてもいいのか?
少数派を無視せずに、あらゆる意見を尊重しないことには、
真の民主主義などありえないし、強者の暴行になってしまう。
僕らはもう一度、沖縄の現状を考えることで、
民主主義の意味を、考えてみる必要があるのです。