テオティワカン文明

富山国際大学の佐藤悦夫さんによる講演で、
ラテンアメリカの考古学ーテオティワカン文明」
を聞きに、(19日)福野のヘリオスまで行ってきた。
テオティワカンは、僕が初めて登ったピラミッドでもある。

ラテンアメリカと言えば、マヤ文明が有名だけど、
テオティワカンを作ったのはマヤではない。
現在のメキシコ先住民と言われるアスティカ人の先祖だ。
アングロアメリカの先住民であるインディオとも少し違う。
だけど、同じ蒙古斑を持つモンゴロイドの仲間でもある。

大学を放り出してアメリカへ行っていたときに、
当時ビザの関係で一ヶ月ほどメキシコを旅していた。
その時はマヤ文明テオティワカンの違いもわからずに、
ただ大きな遺跡に登っては感慨深く感じていた。
それは、時間とは何かと考えることでもあったと思う。

テオティワカンの「月のピラミッド」に登って、
死者の通りを眺めながら、僕は何を考えていたのか?
もうすっかり忘れてしまったけど、ある「思い」は残った。
自分の居場所に対する大きなイメージの広がりだった。
それ以来、身の回りの常識に惑わされなくてよくなった。

佐藤さんの話は研究調査の披露が主な内容だったけど、
春に読んだ、アメリインディオの「一万年の旅路」で、
トウモロコシがベーリング海峡を渡ってもたらされた話は、
必ずしも本当ではないと答えられたのも興味深かった。
たしかに古い伝承とは、後に作られた部分が出てくる。

このところ海外へ行くこともなくなったので、
たまにこうして行ったことのある外国の話を聞くと、
好奇心いっぱいで旅を続けていた頃のことを思い出す。
僕はもうとうにそんな時期を過ぎてしまったけど、
若い人は情報だけでなく、直接世界を見て欲しい。