台風と選挙

このところ、マスコミを賑わす大きな話題と言えば、台風と選挙だろう。
台風の方は、日本でも大型台風14号が九州に近付いていて、
刺激を受けた梅雨前線により、東京では中野区杉並区で洪水被害が出た。
勢力が強く大きな台風なので、九州上陸の後はもっと被害は広がるだろう。
一週間前には、アメリカに台風「カテリーナ」が上陸して、
行き場を失った数万人の台風難民の様子をテレビが写していたところなのだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050905-00000030-mai-int

アメリカの場合は、海面よりも低い大都会の堤防が決壊したことによる被害で、
同じような危険は日本にだって十分に考えられる。それどころか、
住居密度や住民密度の高さから言って、ひとたび日本でこんな水害が起これば、
何千人もの被害者、何万人もの被災者が出るのは間違いないだろう。
アメリカよりは平坦地が少ないので、台風が去りさえすれば水は退く。
その代わりに流れる水の勢いがあるので、アメリカとは違う被害も考えられる。
これから先二三日は、日本中で厳重な警戒が必要になるだろう。

そしてもう一つの話題である選挙の方だけど、最近の世論調査では、
自公合わせた与党勢力が過半数を取りそうな勢いだといかで、
せっかく国を憂える形で立候補した天木直人さんも、泡沫に埋もれ気味だ。
それもそのはずで、反小泉の勢力を結集できなかった時点で、
選挙結果は見えているようなものだから仕方がない。
投票率さえ上がれば野党が有利だと考えている人もいるようだけど、
僕はとてもそんな楽観的な推測は出来ないし、そうした予測をする人も含めて、
知識層が能天気な日本では、独裁化する政治状況を止めることは出来ないだろう。

今や選挙まで含めて、この国の表現の自由は大幅に狭められて、
インターネットで政治的意見を述べることさえ、逮捕拘留の危険がある。
個人の自由よりも公共の利益が優先されるようになって、
人々は安全と引き替えに、自由を放棄して管理される住民に成り下がる。
日本の伝統である「生かさず殺さず」で飼い慣らされる順良な市民たちは、
自ら自由に生き抜く、生命本来の活力をお行儀よく失って、
家畜のように特定の価値観で活かされる生き方を選択するのだろうか?